2012年1月24日火曜日

橋下徹 若者優遇政策を熱く語る

1月4日の年頭会見で、本誌記者は橋下市長を直撃取材、市長は若者優遇政策(年金制度の積み立て方式への転換)を熱く語った。それは、年金制度などの世代間格差の恩恵を受ける高齢者の既得権を放置したまま、若者世代により大きな打撃を与える消費税増税に邁進する野田首相とは対照的だった――。

――若者が希望を持つような「税と社会保障の一体改革案」についてですが、「積み立て方式(※注)への転換」をまず増税前にやれば、世代間格差が是正されて消費旺盛な現役世代や将来世代にお金が回ると思いますが、いかがでしょうか?

橋下:これはもう制度を一から作り直すのかという話で、高度成長時代は「賦課方式」で現役世代に負担を負わせる、いわゆるネズミ講方式でした。どんどん現役世代が増えていっている時代はこれでよかった。しかし、この方式はどこかで破綻するということを考えないといけない。だから「積み立て方式」に変えるというのは原理原則、当たり前の話なのですけれども、これをやると、選挙で票が入らない。

――「落選をしてでも若い世代のために積み立て方式をやるべきだ」という政治家、国会議員と連携していきたいとお考えでしょうか。

橋下:僕は大阪市役所の首長で、それ(年金など社会保障制度改革)をやるのは国会議員です。ある一定の環境を整えても若者が政治に参加しないのだったら、「若者に不利な制度ばかりでもそれは仕方がない」という話。最後は自己責任になると僕は思っていますけれども、大阪市長として、若者が参加する気になってもらえるような仕組みを少しでもつくれたらと思っています。

政治家だって家族を背負って生活があるわけですから、「落選してでも」というのはそう簡単ではないと思いますよ。そうであれば、まずは現役世代が投票に行って政治力を示すべきだと思います。

今回の大阪市長選は若者世代が投票行動で意思表示をしたと思っています。恐らく大阪市役所所管の範囲内では、議員の方々も僕も市職員も、「若者世代には一定の配慮が必要だ」ということを考えたと思います。そういう意味では、現職の市長と職員組合の関係をきちんと適正化して、若い人たちが首長選挙に立候補するとか、そういう環境が少しでもつくれればいいと思っています。

1/24発売の週刊SPA!「【橋下徹】革命性の真実」では、大阪都構想の陰で見えてこなかった橋下市政を、顧問となった改革派官僚の古賀茂明氏ほかに説明してもらった。

※注【(事前)積み立て方式とは】

あらかじめ保険料を若干引き上げておき、年金などの社会保障費の支払額よりも保険料の負担総額が上回るようにする制度。このシステムを導入することにより、黒字となった差額分が積み立て金として貯まっていき、高齢者の人口がピークを迎えた頃から、積立金を取り崩していく。これにより、保険料の支払額と受け取り額がほぼ同じになり、賦課方式の世代間格差(約9000万円)が約3000万円にまで是正される。

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